労災事故の実態

1時間に約14人もの労働者が業務上の事故の犠牲に。 労働災害は「身近に起こる事故」なのです。

平成22年に発生した労働災害での死傷者数はなんと全産業で107,759人、建設業では21,398人。労働災害は決して他人事でないことがうかがえます。 また、死傷者数の割合を事故種類別に見ると、「墜落・転落」「転倒」「機械等へのはさまれ・巻き込まれ」が上位を占めるものの、交通事故が思いのほか多い結果に。通勤中など、会社の管理がおよばないところで事故に遭うこともあるのです。
※出典:「安全衛生年鑑 平成22年版」中央労働災害防止協会


多発する労働災害。しかし、政府労災保険だけでは補償が足りないこともあります。

労災事故が起こった場合、政府労災保険により労働者の負傷・疾病・死亡等に対して保険が給付されますが、被災者本人や遺族への見舞金、慰謝料、賠償金などを含めると、政府労災保険だけでは足りない場合があります。自動車事故で自賠責保険に任意保険をプラスすることで充分な補償が得られるように、労災事故でも政府労災保険に労災上乗せ補償をプラスすることで充分な備えとなります。

  【交通事故の補償】                       【労災事故の補償】

●任意保険
車の所有者が任意で加入できる保険で、自賠責では不足する対人の賠償金や自賠責では補償できない車の修理代や運転者のケガ、他人の持ち物の修理代等を補償します。

●自賠責保険(強制保険)
車の所有者の加入が法律で義務付けられている保険で、人身事故にのみ適用されます。

●政府労災保険(強制保険)
この保険の給付により事業主(使用者)は労働基準法における補償責任を免れます。労働者の業務中や通勤途上での負傷・疾病・死亡等に対し保険を給付します。

政府労災保険でカバーできない部分を補償する・・
「補償の上乗せ」が必要です!!

派遣社員など、社員以外の労働者の事故でも、受入企業が責任を問われるケースが増えています。

派遣先で労働災害が発生した場合、これまでは被災者を雇用している企業が補償を行い、受入先企業が補償することはまれでした。しかし、近年では派遣社員の労災事故において受入先企業の責任を認定した判決が出るなど、雇用の多様化と共に受入先企業においても安全対策や補償に対する備えが必要になっています。

●ケース1:派遣社員の労働災害   派遣元の責任のみならず、派遣先のA社にも賠償命令
A社に派遣されていた業務請負会社B社の社員Cが自殺したのは過労が原因として、家族が両社に損害賠償を求めた訴訟で、D地裁は「過重業務によるうつが自殺の原因」と認定。両社に損害賠償の支払を命じた。(2005年に実際にあった判例より)

●ケース2:派遣先の安全配慮義務違反を認定、派遣先E社に賠償命令
E社に派遣されていた労働者Fが派遣先の作業場前庭にある格子扉の倒壊に巻き込まれ死亡したのはE社の安全配慮義務違反だと損害賠償を求めた訴訟で、G地裁は「格子扉に何の措置もしていなかった安全配慮義務違反」と認定。E社に損害賠償の支払を命じた。(1993年に実際にあった判例より)


これからは社員以外の労働者の事故にも
補償の備えが必要な時代です。
例:貴社製造ラインに従事する派遣労働者、貴社施設内で軽作業する請負作業員
  貴社建設現場の下請け作業員など

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